ロッキー5こそ最高のロッキー映画だ!
どうしても伝えたいことがあります。
それはロッキーシリーズの中で、一番輝きを放つのはロッキー5だってことです。
酷評されがちなこのロッキー5。(ロッキー5と検索すると、もれなく「駄作」と書いてあります。。。)
僕は、世界中に向けて、「ロッキー5こそ本物のロッキーだ!」と賛同してくれる署名運動をしたいぐらいです。
まぁ前はロッキー4に燃え、生きる糧にしている時代もありました。
でも今思うとあんなありえないファイトありますか?
勝てるわけがないでしょうドラゴに。あんなにパンチをくらい続けたのに。
それはそれとして。おかげでクリード2が作られたのだから。
さてロッキー5に戻ります。
ロッキー映画史上初の試み「ストリートファイト」
まず批判されがちな路上ファイトですが、
ロッキー1から見慣れているフィラデルフィアの街をバックに、ロッキーが戦う。
ロッキーと共に育った人たちと一緒に戦う。
まさにロッキーシリーズフィナーレに(なるはずだった)ふさわしいファイトではないですか。
それまでのロッキーは、アポロやクラバー、ドラゴなどの強敵が現れ、どれくらいの期間か分かりませんが、激しいトレーニングをして急激にパワーアップ。
そして勝つ。(アポロ、クラバーには一度負けていますが)
映画の中では10分ぐらいじゃないでしょうか、トレーニングシーン。
あれを見ると、短期間なんだろうなと思ってしまいます。普通無理ですよね。
短期間のトレーニングで強敵に勝つのは。
オーバーザトップみたいに、必殺技みたいなのがあれば別ですが。
はい、ですのでロッキー5で、ポーリーがロッキーの教え子に殴られ、そのまま路上ファイトに突入するというのは自然な流れだと思うのです。見ている人の感情の流れからしても。
しかも、リングで戦わないことで、悪徳プロモーターのデュークの懐にお金が入らないんですから。演出としては一石二鳥ですよね。
ただ、パンチだけではなくて、ロッキーは足を引っ掻けたり、ドラゴンスクリューのような技をしかけたりと、それは卑怯ではないかと思う瞬間もあります。
でも、はじめに蹴りを使ってきたのはトミーの方です!
あんな汚い野郎はどんな手を使ってでも倒さなきゃならないんです!
クライマックスへ向けてはちゃんと、かっこいいジャブ、ジャブ、打ってますよ。
ボディ、めり込むボディ、打ってますよ。
ちゃんとボクシングしてます。
まさに見てる人とロッキーがホームチーム状態。(映画の中で何回もでてくる言葉「Home Team」)
家族との愛を取り戻す物語
このテーマこそロッキーの原点。ロッキーの血脈ではないでしょうか。
このロッキー5で、エイドリアンがロッキーに
「You are losing your family!」
「You are losing your sun!」
などと叫び訴える場面は、心を揺さぶられます。
この言葉で、ついにロッキーは目を醒まします。
そして、完全にグレてしまったセイジスタローン、実の息子に謝りに行きます。
残念なことにセイジスタローンが亡くなってしまいましたので、それも重なって、言葉にならない気持ちになります。
セイジスタローンの輝かしい遺作ですよロッキー5は。
デイライトで脇役として出演してはいましたが。
哀しみ、怒り、喜び、ボクシングと、ものすごいいい演技してたじゃないですかセイジスタローン。
スタローン自身、息子の遺作をもっと評価するべきなんじゃないですか。
と強く思ってますが、スタローンさんいかがでしょうか。
いつか会って伝えたいほんとに。
でも、あのエイドリアンが叫ぶドラマがあって、やっとHome Teamに戻れた。
あとは家族の愛のパワーでトミーをやっつけるだけ。
うん、ロッキーはやはり家族の愛で強くなるんだなぁ。
それはシリーズを通して描かれています。
でもロッキー5からが一番家族の愛というテーマを強く感じます。
エンディングの歌 グッときます。
エンディングの歌 とてつもなく好きです。
エルトンジョンの「measure of a man」
ロッキー1からの写真と一緒に流れるピアノメインの曲。
とても寂しくて、孤独で、希望があって、思い出が甦る、フィナーレにふさわしい名曲です。
特にこの曲の歌詞に、「勝つために まず負ける 」というような詞があって、、この歌詞はロッキーの人生そのもの。ひいてはスタローンの人生そのもの。
自分の人生も、負けを気にせずにかくありたい。
負けるの嫌がってるから、勝負もできない。
勝負できないから当然勝てない。
まぁ人生は勝ち負けじゃないですけどね。
どちらにせよ、勇気をもらいます。この曲からも。ロッキーからも。
どうかスタローンさん。ロッキー5が世間的に、興業的に、負けたと思っていたとしても、少なくとも僕には勇気を与えていることを誇ってください!
きっと、「ロッキー5が実は一番好きです。」という人がいるはずですよ。
監督 ジョン・G・アビルドセン
音楽 ビル・コンティ
脚本 シルベスター・スタローン