【映画・音楽・芸術・本・自然・家族・仕事】岩山亮一の芸術的思考

シンガーソングライター岩山亮一が「生きることは芸術そのもの。葛藤や矛盾が芸術を生み出すんだよきっと。このままの僕でいい、そのままの君でいい、無理せずに、ただ生きていこう。人生の楽しみ方はたくさんあるよ。」などのメッセージを込めたありのままブログ

「最後の忠臣蔵」 役所広司や佐藤浩市、桜庭みなみ、安田成美の表情に泣ける。

忠臣蔵の討入りがメインの時代劇ではなく、討入りから16年後の生き残った人たちの物語。

 

生き残った人たちにこんなに重い使命を背負っているとは、今まで考えたこともありませんでした。

主演は役所広司。同じく生き残った武士として、佐藤浩市大石内蔵助の隠し子可音として、桜庭みなみ。そしてゆう役で安田成美。

 

初めてみたとき、衝撃を受け、購入したDVDは「絶対に見て。」と言って友達に貸したことを覚えています。その後、ブルーレイとDVDのセットも購入し、今でも時々視聴しています。
なんといっても出演者の表情に引き込まれます。特に役所広司のいろいろな感情があらわれた表情が胸に迫ります。

隠し子の存在が世間に知られ始めたときの焦りの表情。

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可音の恋心を知ったときの、嬉しい気持ちを隠すようなお茶目な表情。

親友である吉衛門(佐藤浩市)にも真実を告げられずに、信念を貫き通す悲しい表情。 一つの表情の中にいくつもの感情を感じることができるのが不思議です。俳優ってすごいですよね。

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吉衛門が孫座衛門の真実を知り、孫座衛門を前にして、「使命をよう果たしたのう。」と言ったときの佐藤浩市の表情にも感動を覚えました。映画「セブン」でブラットピットがラストで涙を堪えながら銃を向けたときのあの表情を彷彿とさせました。
3月6日から公開のFukushima50でも、佐藤浩市の演技が楽しみですね。

役所広司の映画ですが、僕の知る限り初期のころは「失楽」園や「うなぎ」で若々しく、それでも悲しみが漂う感じが素敵でした。

ただ僕が好きなときは、「山本五十六」を演じたときの、危機的な状況でも泰然自若としていて、でもどこか人間味がある感じに魅力を感じます。「三度目の殺人」のような裏があるような演技も好きですが、やはり山本五十六のように大義に生きる役がいいです。この最後の忠臣蔵」も山本五十六のように大きな使命を負った役柄で、使命が大きいだけに、苦悩も大きく、見ていて応援したくなります。
※狐狼の血のようなワイルドな役も魅力的ですが。

 

DVDの特典映像に桜庭みなみに杉田成道監督が演技指導をしたり、言葉の指導をしたりする映像がありますが、当たり前ですがそういった演出があって、見た人を感動させる本物の映画が出来上がるのですね。

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きっと「北の国から」シリーズで生まれた数々の名シーンも、人物の感情の流れを一番大切にした演出があって生まれたものなのかもしれませんね。
なんせこの「最後の忠臣蔵」も1シーンで40テイクも撮ったシーンもあったようです。
北の国から」シリーズといえば、最後の忠臣蔵で1シーンだけに田中邦衛が登場していましたね。なんと贅沢な起用。

 

使命に生きる、親心、恋心、信念を貫くなどさまざな感情を呼びおこす映画だと思います。

https://youtu.be/Qo1aoFAtUSM