【映画・音楽・芸術・本・自然・家族・仕事】岩山亮一の芸術的思考

シンガーソングライター岩山亮一が「生きることは芸術そのもの。葛藤や矛盾が芸術を生み出すんだよきっと。このままの僕でいい、そのままの君でいい、無理せずに、ただ生きていこう。人生の楽しみ方はたくさんあるよ。」などのメッセージを込めたありのままブログ

ボヘミアンラプソディー映画は傑作なのか。

こんにちは。日々いろんな葛藤の中で生きている、岩山亮一です。

今日も映画で癒されてきました。映画ってやっぱいいですね。

ちょっと偉そうなことを書きますが、ご容赦ください。<m(__)m>

映画ボヘミアンラプソディーは本当に傑作なのか

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または、傑作とみなし、みんながこぞって騒ぐような映画にしていいのだろうか。

  確かに最後のライブエイドのステージは圧巻だった。カメラワークも迫力があった。フレディーの歩んだ人生と重なる曲の歌詞が胸に迫るものがあった。

 

  では映画の前半はどうか。フレディーがバンド仲間に出会う場面は描いているものの、あまりに一気にスター街道を歩んだ描き方ではなかったか。

 

 映画全体の長さを考えると仕方がないのかもしれないが、もう少しバンドやフレディーの特徴や苦悩を入れ込んでもよかったのではないだろうか。僕は前半ですっかり気持ちが冷めてしまった。

 こんな一瞬で成功した物語を見に来たのではない。

 

 後半ではフレディーの苦悩が挟まれてはくるが、その間を埋めるように曲の紹介や曲が誕生するちょっとした話が随所に入り込んでくる。そんなものはクイーンがほんとに好きな人が調べればいいだけの話。

 丁寧に描くべきは人間フレディーマーキュリーなのではないのか。

 

 

 

 

この映画はドキュメンタリー映画なのか

 

 

 普段曲をつくったりレコーディングしたりすることがある自分にとっては、「ボヘミアンラプソディー」をレコーディングする場面や「Another One Bites the Dust」のベースのリフにメンバーが感嘆する場面、そして「We will rock you」 のあのリズムのアイデアを初めてメンバーに伝える場面などは興味深かった。

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 でも僕が見に来たのはそこじゃない。これじゃ音楽ドキュメンタリーじゃないか。音楽ドキュメンタリーならYouTubeにあふれているのだし。

 本人の人間像に迫る音楽映画なら、ジェームズブラウンの人生を描いた『ジェームズ・ブラウン~最高の魂を持つ男』やクリント・イーストウッドが監督したフォーシーズンズの実話『ジャージーボーイズ』の方がよっぽど共感できたし、強烈だった。

 

 それはきっと人間としてどう描くかに的を絞っていたからだろう。

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【ホラー映画だと思っていた】映画『来る』を見て号泣したわけを考える。

こんにちは。日々いろんな葛藤を抱え生きている、岩山亮一です。

今日も映画で癒されてきました。やっぱ映画っていいですよね。

 

映画『来る』は果たして面白いのか

 『来る』を鑑賞。弟からもらったTOHOのTCチケットの期限が年内だったので、何か映画を見なくては、ということでなんとなく見たのが『来る』。

 霊媒師とかのキーワード、松たか子妻夫木聡岡田准一などのキャストにもちょっと魅かれて映画館へ。

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 早速感想。ただのホラーかと思ったら大間違いで、なぜか僕、泣きっぱなしでした。なぜだろう・・・。

 結局、子どもを守るためのストーリーが柱にあるから、最近3人目の娘が生まれた僕としては、どストライクだったのかもしれないです。

 ホラーを楽しみにいったはずが、、、こんなにも家族について考えさせられるとは。

 

ただのホラー映画ではない

 もちろん、基本怖くて、残虐な描写もあり一流のホラーエンターテインメントではあるのですが、ただのホラーで終わらせない今の時代に合わせた軸が製作者側にしっかりあるんでしょうね。

 特に、子どもへの虐待については、『万引き家族』を彷彿とさせました。映画の予告には子どもへの虐待などのキーワードは何も書いてなかったので、驚くとともに、なるほどそれがエンターテインメントなんだなと思わされました。(最後に虐待をテーマに岩山亮一が作詞・作曲し、演奏、歌った曲を紹介します。よかったらご覧ください。)

 もちろん面白いのですが、面白いだけじゃない。面白いだけで終わらせない。「明日への活力に。」そして、「人生を変える一本に。」との製作陣の気迫が感じられます。

 ホラーで泣かせられたのは、、、『着信アリ』でも泣きはしなかったしな。『呪怨』でももちろん泣けないし。そういう意味では、ホラーと感動をよく両立させたなと。(上から目線で言ってみる)

 最近で言うと、『IT~それを見たら終わり~』、これはただのホラーとは感じないさわやかな感動がありましたが、泣きはしなかった。(『IT』続編が楽しみ)

キャストや制作陣が半端なく濃い。

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 監督は、『告白』で監督・脚本を務めた中島哲也。なるほど、松たか子の起用は『告白』で縁していたからなんですね。

 監督は、「ホラー映画を作ったという感覚はない。ただ描きたかったのは『人間の面白さ』だけ」と言っているので、ただのホラーに感じないのは監督のイメージの効果なのだろう。

 言わずと知れた演技派、妻夫木聡。見てて心配になってくる演技がすごい。

 黒木華、最近いろいろなところで見ますね。僕の中では、映画『ちょっと今から仕事やめてくる』の謎の同僚役。ドラマ『獣になれない私たち』の独特な役柄。闇を抱えた役が多いんですかね。今回もだいぶ病んでます。まあ本人のせいではないところもありますが。

 岡田准一、今更ですがかっこいいんですねこの人。あんまり知らなかったです。『永遠の0』『蜩の記』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞・最優秀助演男優賞W受賞という快挙を遂げただけのことはあるなと。

 松たか子が強烈な霊媒師で登場するとは考えてなかったです。とても頼もしい。「なんとかしてくれ松たか子」と映画を見ながら、心で叫び続けてました。

 そして、なんですかあの女の人。最高じゃないですか。小松菜奈。『渇き』に出てるんですね。『渇き』見なきゃ。それにマーティン・スコセッシ監督の『沈黙―サイレンスー』にも出ていたんですね。見直してみよ。

 それにしても、『渇き』でデビューしたとき、中島監督から「へたくそ」と罵声を浴びたというから、大変な努力家で、いい根性してるんでしょうね。

 今回も中島監督から「次は違うことをやれ」と延々と求められたというから、きっと大変な撮影現場だったんだろうと想像できます。

 

 他にも柴田理恵伊集院光、太賀などわきをしっかり固めてます。

 これらキャストやストーリーが最高なのは、企画・プロデュースした川村元気の力も大きいということが、映画のパンフレットを見て分かりました。

 

 原作のように、語り部が次々に入れ替わる感じとか、サウンドとか、こだわったところが随所に。それもそのはず、この川村元気は、『電車男』、『告白』『君の名は』『怒り』などヒット作を製作しているんですから納得です。

 

原作は澤村伊智のデビュー作『ぼぎわんが、来る』

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『ぼぎわんが、来る』は、2015年、「第22回日本ホラー小説大賞」を受賞。本作の着想は、なんと「大学の頃、祖母の家で過ごしていると訪問販売員がやってきたんです。祖母は引き戸も開けず、適当に追い返した。それだけの出来事ですが、古い磨りガラスにぼんやり浮かんだ人影が、妙に忘れられなくて。もし、あのとき来たのがお化けだったら、という単純な思いつきを、限界まで膨らませて書いてみたのがこの小説です。」。(映画パンフレットより)と述べている。

 想像力半端ないですよね。

 

日本の映画のチーム力を感じ、「明日への活力」になったのは間違いありません。

 

それでは、虐待について作詞・作曲した岩山亮一の曲をお聴きください。

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