【映画・音楽・芸術・本・自然・家族・仕事】岩山亮一の芸術的思考

シンガーソングライター岩山亮一が「生きることは芸術そのもの。葛藤や矛盾が芸術を生み出すんだよきっと。このままの僕でいい、そのままの君でいい、無理せずに、ただ生きていこう。人生の楽しみ方はたくさんあるよ。」などのメッセージを込めたありのままブログ

今の世の中が見るべき映画!

 

映画はこの今の世の中の人々が見るべき映画!

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 地球規模で喫緊の社会問題となっている「子どもの虐待」。昨今の日本でも虐待のニュースは後を絶たない。

 この「虐待」という重く、扱いにくい、でも誰もが考えなければならないテーマを中心に据えた映画があることをご存知だろうか。

その映画のタイトルは 「真夜中のゆりかご」

 

 私は、この映画を上質な隠された名画だと思っている。

 

 

 

 その理由の1つ目は、上記の通り「虐待」というテーマを主軸とした勇敢な映画だからである。

 私がもし虐待に関しての映画のスポンサーだとしたら、こんな重く、娯楽として成り立たないような映画に投資をすることはきっと躊躇うだろう。

 なぜなら、娯楽として成り立たない映画は、もとがとれない。製作費が賄えないこと懸念されるからだ。

 是枝監督の「万引き家族」でさえ、「虐待」というテーマは含んでいたものの、貧困など多くの社会問題をテーマとしていたはずだ。

しかしこのーは、虐待を堂々と物語の中心に据えた。勇敢だと私は思う。

 

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 理由の二つ目は、「虐待」というテーマを物語の中心としながらも、ただ重いだけでなく、良質なサスペンスになっているということである。

 「虐待」という行為自体は残酷で痛々しい。許されない行為。見ているこちらも胸が痛くなる場面がある。しかし、その行為の裏に、人々のどんな気持ちが隠されているのだろうか。これは決して他人事ではない。見た目が普通に生活していたとしても、心の中では、たとえば、自殺を考えているかもしれない。悩み事でいっぱいかもしれない。

 そんな人々の日常を思わず考えざるを得ない映画。

虐待をただいけないと声をあげるだけでなく、今目の前で、苦しくて悩んでいる人の心の声に耳を傾けることが大切ではないだろうか。

最後に、筆者がつくった自作の曲を聴いていただきたい。「虐待」をテーマにストレートに表現した曲のため、気持ちのよい曲ではないが、少しでも啓発になればと願う。

https://youtu.be/dSNROKda7Jg

 

コップランドは実は良質な映画だ!

コップランドって、実は見ればみるほどよさが分かってくるのではないか。」

 

 

と思う今日この頃。 

監督はジェームズ・マンゴールド

トムクルーズとキャメロンディアスのアクション映画「ナイト&デイ」やヒュージャックマン主演の「ウルヴァリン:SAMURAI」「ローガン」などを監督しています。

さらに、今後スターウォーズからのスピンオフ映画(ボバフェットを中心に描いた作品)を監督する予定とのこと。

さて、「コップランド」ですが、スタローンはこの映画で初めて演技を評価されました。今までは、演技をぼろくそに言われることが多かったのですが、、、。

 

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役に合わせて体重をだいぶ増やし、全然かっこよくない姿なのです。

しかも片方の耳が聞こえない保安官。動きも非常に鈍いです。

見どころは、このどうにも冴えない保安官がどんな過程を経て、正義に目覚め、行動していくかという所。

 

これまでのスタローン映画とは目つきがまるで違い、常に優しい眼差し。悪く言うと、何に対しても意欲がない、どうでもよいというような目つき。

監督の演出、こだわりがスタローンの表情から分かります。

このあたりのスタローン映画は、「デモリションマン」「暗殺者」「スペシャリスト」

など、強さを前面に出した役が多く、スタローンとしても大きなチャレンジだったのだと思います。でも、チャレンジして大当たりでしたね。

 

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その後、デニーロと「リベンジマッチ」で共演できたのも、この「コップランド」がきっかけだったのかもしれませんね。

 

 

「最後の忠臣蔵」 役所広司や佐藤浩市、桜庭みなみ、安田成美の表情に泣ける。

忠臣蔵の討入りがメインの時代劇ではなく、討入りから16年後の生き残った人たちの物語。

 

生き残った人たちにこんなに重い使命を背負っているとは、今まで考えたこともありませんでした。

主演は役所広司。同じく生き残った武士として、佐藤浩市大石内蔵助の隠し子可音として、桜庭みなみ。そしてゆう役で安田成美。

 

初めてみたとき、衝撃を受け、購入したDVDは「絶対に見て。」と言って友達に貸したことを覚えています。その後、ブルーレイとDVDのセットも購入し、今でも時々視聴しています。
なんといっても出演者の表情に引き込まれます。特に役所広司のいろいろな感情があらわれた表情が胸に迫ります。

隠し子の存在が世間に知られ始めたときの焦りの表情。

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可音の恋心を知ったときの、嬉しい気持ちを隠すようなお茶目な表情。

親友である吉衛門(佐藤浩市)にも真実を告げられずに、信念を貫き通す悲しい表情。 一つの表情の中にいくつもの感情を感じることができるのが不思議です。俳優ってすごいですよね。

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吉衛門が孫座衛門の真実を知り、孫座衛門を前にして、「使命をよう果たしたのう。」と言ったときの佐藤浩市の表情にも感動を覚えました。映画「セブン」でブラットピットがラストで涙を堪えながら銃を向けたときのあの表情を彷彿とさせました。
3月6日から公開のFukushima50でも、佐藤浩市の演技が楽しみですね。

役所広司の映画ですが、僕の知る限り初期のころは「失楽」園や「うなぎ」で若々しく、それでも悲しみが漂う感じが素敵でした。

ただ僕が好きなときは、「山本五十六」を演じたときの、危機的な状況でも泰然自若としていて、でもどこか人間味がある感じに魅力を感じます。「三度目の殺人」のような裏があるような演技も好きですが、やはり山本五十六のように大義に生きる役がいいです。この最後の忠臣蔵」も山本五十六のように大きな使命を負った役柄で、使命が大きいだけに、苦悩も大きく、見ていて応援したくなります。
※狐狼の血のようなワイルドな役も魅力的ですが。

 

DVDの特典映像に桜庭みなみに杉田成道監督が演技指導をしたり、言葉の指導をしたりする映像がありますが、当たり前ですがそういった演出があって、見た人を感動させる本物の映画が出来上がるのですね。

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きっと「北の国から」シリーズで生まれた数々の名シーンも、人物の感情の流れを一番大切にした演出があって生まれたものなのかもしれませんね。
なんせこの「最後の忠臣蔵」も1シーンで40テイクも撮ったシーンもあったようです。
北の国から」シリーズといえば、最後の忠臣蔵で1シーンだけに田中邦衛が登場していましたね。なんと贅沢な起用。

 

使命に生きる、親心、恋心、信念を貫くなどさまざな感情を呼びおこす映画だと思います。

https://youtu.be/Qo1aoFAtUSM

 

ロッキー5こそ最高のロッキー映画だ!

どうしても伝えたいことがあります。

それはロッキーシリーズの中で、一番輝きを放つのはロッキー5だってことです。

酷評されがちなこのロッキー5。(ロッキー5と検索すると、もれなく「駄作」と書いてあります。。。)

僕は、世界中に向けて、「ロッキー5こそ本物のロッキーだ!」と賛同してくれる署名運動をしたいぐらいです。

 

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まぁ前はロッキー4に燃え、生きる糧にしている時代もありました。

 

でも今思うとあんなありえないファイトありますか?

勝てるわけがないでしょうドラゴに。あんなにパンチをくらい続けたのに。

それはそれとして。おかげでクリード2が作られたのだから。

 

さてロッキー5に戻ります。

ロッキー映画史上初の試み「ストリートファイト

 

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まず批判されがちな路上ファイトですが、

ロッキー1から見慣れているフィラデルフィアの街をバックに、ロッキーが戦う。

ロッキーと共に育った人たちと一緒に戦う。

まさにロッキーシリーズフィナーレに(なるはずだった)ふさわしいファイトではないですか。


それまでのロッキーは、アポロやクラバー、ドラゴなどの強敵が現れ、どれくらいの期間か分かりませんが、激しいトレーニングをして急激にパワーアップ。

そして勝つ。(アポロ、クラバーには一度負けていますが)

映画の中では10分ぐらいじゃないでしょうか、トレーニングシーン。

あれを見ると、短期間なんだろうなと思ってしまいます。普通無理ですよね。

短期間のトレーニングで強敵に勝つのは。

オーバーザトップみたいに、必殺技みたいなのがあれば別ですが。


はい、ですのでロッキー5で、ポーリーがロッキーの教え子に殴られ、そのまま路上ファイトに突入するというのは自然な流れだと思うのです。見ている人の感情の流れからしても。

 

しかも、リングで戦わないことで、悪徳プロモーターのデュークの懐にお金が入らないんですから。演出としては一石二鳥ですよね。

 

ただ、パンチだけではなくて、ロッキーは足を引っ掻けたり、ドラゴンスクリューのような技をしかけたりと、それは卑怯ではないかと思う瞬間もあります。

でも、はじめに蹴りを使ってきたのはトミーの方です!

あんな汚い野郎はどんな手を使ってでも倒さなきゃならないんです!

 

クライマックスへ向けてはちゃんと、かっこいいジャブ、ジャブ、打ってますよ。

ボディ、めり込むボディ、打ってますよ。
ちゃんとボクシングしてます。

まさに見てる人とロッキーがホームチーム状態。(映画の中で何回もでてくる言葉「Home Team」)

 

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家族との愛を取り戻す物語

 

このテーマこそロッキーの原点。ロッキーの血脈ではないでしょうか。

このロッキー5で、エイドリアンがロッキーに

「You are losing your family!」
「You are losing your sun!」

などと叫び訴える場面は、心を揺さぶられます。

この言葉で、ついにロッキーは目を醒まします。

そして、完全にグレてしまったセイジスタローン、実の息子に謝りに行きます。

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残念なことにセイジスタローンが亡くなってしまいましたので、それも重なって、言葉にならない気持ちになります。

セイジスタローンの輝かしい遺作ですよロッキー5は。

デイライトで脇役として出演してはいましたが。

 

哀しみ、怒り、喜び、ボクシングと、ものすごいいい演技してたじゃないですかセイジスタローン。

スタローン自身、息子の遺作をもっと評価するべきなんじゃないですか。

と強く思ってますが、スタローンさんいかがでしょうか。

いつか会って伝えたいほんとに。


でも、あのエイドリアンが叫ぶドラマがあって、やっとHome Teamに戻れた。

あとは家族の愛のパワーでトミーをやっつけるだけ。

うん、ロッキーはやはり家族の愛で強くなるんだなぁ。

それはシリーズを通して描かれています。

でもロッキー5からが一番家族の愛というテーマを強く感じます。

エンディングの歌 グッときます。

 

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エンディングの歌 とてつもなく好きです。

エルトンジョンの「measure of a man」


ロッキー1からの写真と一緒に流れるピアノメインの曲。

とても寂しくて、孤独で、希望があって、思い出が甦る、フィナーレにふさわしい名曲です。

特にこの曲の歌詞に、「勝つために まず負ける 」というような詞があって、、この歌詞はロッキーの人生そのもの。ひいてはスタローンの人生そのもの。

自分の人生も、負けを気にせずにかくありたい。

負けるの嫌がってるから、勝負もできない。

勝負できないから当然勝てない。

まぁ人生は勝ち負けじゃないですけどね。

 

どちらにせよ、勇気をもらいます。この曲からも。ロッキーからも。

 

どうかスタローンさん。ロッキー5が世間的に、興業的に、負けたと思っていたとしても、少なくとも僕には勇気を与えていることを誇ってください!

きっと、「ロッキー5が実は一番好きです。」という人がいるはずですよ。

 

監督 ジョン・G・アビルドセン

音楽 ビル・コンティ

脚本 シルベスター・スタローン

 

youtu.be

 

クリード2はロッキー2のパクリだった件。

かれこれ、クリードの記事を書くのも3回目となりました。

なんか止まらなくなっちゃって。

 

さて、

クリード2はロッキー2のパクリだった件。

 

クリード2がロッキー2と重なる点をいくつか紹介します。

 

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 雪が積もる動物園でロッキーがエイドリアンにプロポーズしたのはロッキー2でしたね。

 エイドリアンは耳当てをしていたので、「今なんて言った?」と聞き返します。ドラマティックなシーンでした。

 クリード2でも、ビアンカアドニスのプロポーズが聞こえなかったため、「今なんて言った?」と聞き返します。

 

 その後ロッキー2では結婚式、引っ越し、妊娠と進んでいきます。

クリードでは結婚式のシーンはなかったものの、プロポーズ、引っ越し、妊娠と進んだので同じ流れですね。

 

 ロッキー2では、エイドリアンの妊娠がわかったあと、いろんな仕事をしてみますが悉くうまく行かず、荒れていきます。そしてだんだんと「自分はやっぱりファイターだ」と自覚していきます。

 クリード2はどうでしょう。

クリードアドニスは子守りに苦戦します。そして子守をしながらジムで、「自分はファイターだ」と自覚します。

 

 どちらもファイターだと自覚するシーンはサンドバッグを叩く姿です。

 

 そのロッキー2ではアポロから再戦を迫られます。「ロッキーバルボアはどこにいるんだ。」「どこに隠れてるんだ」と。

 ロッキーは宿敵と戦うことを迷います。

 ここらへんもクリードが踏襲しています。

 

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 さらに、ロッキー2では練習に身が入らない時間がとても長い。

でもエイドリアンが目を覚まし、「ちょっと来て。」とロッキーを耳元に近づけて、「Win」と笑顔でロッキーに伝えました。

(その瞬間のロッキーの表情を思い出すと、なぜか涙が。。。)

 同時に鳴ったゴングの音のような音楽もとても効果的でした。

ロッキー2ではエイドリアンから愛の鞭が入り、ロッキーは過酷な練習を開始したのです。


 クリード2でも、ビアンカに「絶対勝って。」というようなことを言われ、過酷な練習を開始します。

 

 極めつけは

 ロッキー2でロッキーがアポロとの試合に行く前、控え室でミッキーが言ったセリフ。

「It's time, kid」

 これもクリード2でクリードがドラゴとの再戦にいく直前、ロッキーがアドニスにかけた言葉と全く同じです。

 ロッキーは、ミッキーからトレーニングを受けてきたので、自分がかけられてきた言葉を同じようにアドニスにかけるのは自然なことだと思いますが。

他にも、いろいろとロッキー2のオマージュだと感じるところはありますが、このへんで。

 

ですので作品全体を通してロッキー2そのものという感じです。

 そこにロッキー1、3、4、5、6の要素が入っていく。

 アドニスが肋骨をやられるところはロッキー1でアポロが右脇腹をやられるところとつなげていると思うし、アドニスが過酷なトレーニングを終えた後の目つきが明らかに変わったのは、ロッキー3の虎の目を意識していると思われます。

特に重なるキーワードとなる言葉は

「Get up」「I did it」あたりでしょうか。大切なシーンで使われていました。

 

 ロッキーが大好きな人が脚本を書いてるのでしょうね。よく言えばロッキーシリーズをリスペクトしているといえるし、悪く言えばロッキーシリーズをパクっているともいえます。

 ロッキー2のリメイクと言ってもいいかもしれません。

 

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 とは言うものの、ロッキーシリーズ自体も常に踏襲して作られてきました。
戦うかどうか迷い、戦うことを決めるが、集中できない。エイドリアンの愛を受け取って、練習再開。そして勝つ。この流れがわりとお決まり。

 

 アドニスが人間的に成長していく姿と、ロッキーが成長していく姿を重ねてこの映画がつくられていることがわかります。

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クリード2に完全に裏切られた。主役はドラゴ親子だ!

こんにちは。日々葛藤を抱えている岩山亮一です。

負けずに生きていきましょう。

 

クリード2の記事その1では書ききれなかったので、クリード2記事その2を書きます。

 

 

完全に裏切られた

 

 

いろんな意味で。

 

1、主役はドラゴ説

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 人はまだ知らない世界を見たがる生き物。

ロッキー4ではまったくといっていいほど、ドラゴの生活は描かれていなかった。

冷徹なサイボークちっくな役だったからそれは仕方ないが。

しかもロッキー4後の映画ではドルフラングレン「ユニバーサルソルジャー」で本当のサイボーグになってしまった!

 

 まぁそれはそれとして、今回の「クリード2」ではドラゴ親子が丁寧に描かれており、ラストファイトではドラゴ親子にも感情移入してしまうという、完全に裏切られた形になった。

 僕自身、一番涙腺瓦解したのは、ドラゴがタオルを投げ、「いいんだ。もういいんだ。」と息子に投げかけるシーンだった。

タオルを投げる時のドラゴの表情は、特に焼き付いている。あの憐みの顔。ロッキー4の時のドラゴではない。完全にない。

親父の顔。

もう助演男優賞ものですあれは。

 

クリード2の裏タイトルはまさに 「今度は投げるか白タオル 」というタイトルがふさわしい。

 

それに祝賀会のシーン。元妻を見たときのドラゴの表情。

そして自分を捨てた母親を見たときのヴィクターの行動。

とても人間らしいじゃないですか!

むしろエンディング付近でドラゴ親子が一緒にランニングするシーンを一番ラストのシーンにしてもよかったぐらい。それじゃ完全にドラゴ親子の映画になってしまいますね。

 

でも孤独の中で戦い続けていたドラゴ親子はロッキー1のロッキーに通じるところがある気がするんですよね。

 

 

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2、 クリード2は全ロッキーシリーズの要素を映画に取り入れている。

 

 

 これはうれしい裏切りです。クリードは独立したシリーズだと思っていましたが、これほどロッキーシリーズを受け継いでいると、ロッキーの続編だと思わされます。

 

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 クリード夫妻に赤ちゃんができるあたりはロッキー2と重なりますし、アドニスが一度試合で負けて、再戦するあたりはロッキー3と重なります。しかもロッキー3の一回目の試合のときは、ミッキーがコーナーにいなかった。今回も一回目の試合のときには、ロッキーがセコンドにいなかった。

 

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ロッキー4と重なるところは言うまでもありません。というかロッキー4と直接つながってます。

ただ、ロッキー4で何度も使われていた「No Pain」という言葉が使用されなかったのが残念です。あの「No Pain」はデュークが度々ロッキーに言い、励まし続けた名台詞ですよ。それが受け継がれていない。残念。

何のためにデュークの息子が登場してるんですか!と言いたい!

 

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ロッキー5と重なるところは、テレビ越しで弟子を見つめ、励ますロッキーの姿でしょう。

ロッキー5では、このテレビ中継でロッキー自身が大きな孤独を味わうことになる重要なシーン。そしてラストのストリートバトルに突入する感動的なシーンでした。

 クリード記事1でも書きましたが、個人的にロッキー5が大好きです。世間はロッキー5の本質的な良さ、愛をもっと感じるべきです。ロッキー5こそ、ロッキー1の愛を受け継いでいる唯一の映画です。

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3、登場人物全員が成長する映画だった

 

 

 ここでは特にビアンカをあげたい。

ラストの試合の入場シーンでなんとビアンカが歌った!

はじめ見たときは一瞬、なんてくさい演出なんだと思いましたが、なるほど赤ちゃんの耳や自分の聴力などのことで常に葛藤していたビアンカにとっては重要な意義をもつ歌唱シーンだと分かると、無性に感動しました。

 

 僕たちはたしかに大人ですが、みんな何かしらの葛藤や悩みを抱えています。この映画のキーワードは度々使われた「smart decision」 。言うなれば自己決定ですよね。 葛藤から覚悟、決定までのドラマが誰にでもある。それがどの登場人物にもきちんと描かれているところがこの映画の共感できるポイントです。

全員が一歩前に進めた。

ですので、ロッキーを見て場合は、熱くなり、思わずトレーニングしたくなりましたが、クリードの場合はそうではなく、内面的な思考を促されることになります。

https://youtu.be/0sDZPRxiSJM

 

 

映画クリード2、気に入らない点とロッキー愛にあふれている点について。

こんにちは。日々葛藤を抱えている岩山亮一です。

 

このクリード2は、ロッキーの正式な続編といえるぐらい、ロッキー愛にあふれた映画でした。気に入らない点もありますが、それは最後の方に。

 

ロッキーが好きな人ほど、感涙ポイントが増えていく

 

 

僕がロッキー愛を感じたところを思いつきで書くと、

 

まずは道具。

 

 

 ロッキーが住んでるアパートの前にさりげなく駐車してある白いバン。ロッキーザファイナルでは何度も登場し、熱いドラマがありました。

 

 そしてアパートのlight。今回はlightが切れたままになっているというエピソードでlightが登場しました。これもロッキーザファイナルで出てきたlightについての一連のエピソードへのオマージュでしょう。

 

次に場所。

  

 フィラデルフィア美術館の階段、そしてそこから見える景色。ロッキーザファイナルの映画パンフレットやDVDのパッケージで前面に使われています。

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個人的には、ロッキー5で息子(実の息子のセイジスタローン)とエンディングで笑顔で語り合う場面が好きです。

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 今回はそれをドラゴ親子が眺めるという憎き演出。登場人物の言葉がない場面でも、過去のロッキーシリーズで使われた場所だと、見ている人はいろんな感情が沸いてくるのが不思議です。

 

 そしてレストランエイドリアンズ今回もたくさん出てきました。ロッキーザファイナルで、

「ロッキーがまさかレストランを経営してるとは」と、驚いたことを覚えています。

 

今回も強烈なシーンがこのエイドリアンズで生まれている

 

 特に、ドラゴとロッキーが1対1で話すシーンの緊張感と、ワクワク感はたまらないです。ロッキー4で親友を殺されたり、リングでは死ぬ気で戦った二人です。

 しかもロッキー5では、ドラゴとの闘いで脳に異常が起き、心身共にボロボロにされた相手です。いくら誰にでも心優しいロッキーでも、親友を殺された相手にはさすがにいい顔はしなかった!

 僕的には、戦友として抱き合うことぐらいしてほしかった。そしてロッキーザファイナルで登場したスパイダーみたいに、レストランで雇って一緒に働いてほしい!などと勝手に思ってしまったが、それじゃさすが物語として成立しませんね。

 とにかく、ドラゴがエイドリアンズで座ってるときの背中が焼き付きす。それにしても、ドルフラングレンガ座ると椅子がすごく小さく見える!

 

次に人。

 

 言うまでもなく、ドルフラングレン演じるドラゴは見た甲斐あり。まぁエクスペンダブルズで、散々スタローンと共演しているので、よく見てはいたのですが、ロッキーのドルフラングレンといったら宿敵ですので、見方が変わります。

 

 主役はドラゴ親子?

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 ロッキー4と比べて笑顔が増え丸くなりました。息子への愛情も深く、僕的には主役はドラゴ親子だと言われても違和感ないです。

 脚本の段階からドラゴ親子を悪役で終わらせない愛に溢れたストーリーを書いた人すごい!

 

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